「おねぼうさんはだあれ」 春のお知らせ

おねぼうさんはだあれ | 文:片山令子 絵:あずみ虫

春にぴったりの本

優しい響きのタイトルどおりの絵本でした。ストーリーも絵も可愛いらしく、温かい春を待ち焦がれる気持ちがストレートに伝わりました。

シロツメクサ、スミレ、カタクリ、ノイチゴの花、個性的なお花が出てくるのも素敵です。

クマさん、ヤマネくん、トカゲちゃん、カエルくん、色々な生き物が優しく描かれている点でも、親しみやすいと思います。

君の のばした手に 太陽

以前、テリー伊藤さんという方がテレビで、

「子供にドクロとかそういうのはダメなんだ!もっと、タンポポとかじゃないと駄目なんだ!!

と、激昂している姿をみた事がありました。どうやら、小さな子供にスカルモチーフとか、そういう洋服を着せる事はとんでもない!という意見のようでした。私はその場面、その瞬間だけを見たので、前後の経緯は全くわからないのですが、その熱意だけは焼きついて、ひょんな時にその事を思い出します。

(タンポポは黄色、子供は黄色が大好き。黄色は、太陽の下でのびのび遊ぶ時の色、という感じもあるのかな。そういえばスカルモチーフで黄色の配色って、一度も見た事がない。)
くだらない事ですが、そんなことを考えました。

この本は、何か本当に、「 君の のばした手に 太陽 」という感じがするのです。

春がきたときに、ぜひ、優しい声で読んであげてほしいと思います。